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日独自然エネルギー会議
ベルリンの壁の前で
▲日独自然エネルギー会議
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1月22日(木)

 午後から日独自然エネルギー会議。→<会議概要>
 日独の自然エネルギー関係者が集まり、日独の状況を把握するとともに、自然エネルギー促進に向けて日独協力の可能性について話し合うのが目的だ。

 1日目は、日独の全般的な状況について発表がなされた。なかでも圧巻だったのは、ドイツ議会で自然エネルギー促進の中心的役割を果たしている緑の党のハンス・ヨセフ・フェル議員の発表である。


▲緑の党のフェル議員と

 フェル議員は、地球温暖化を防ぐためには自然エネルギーの比率を高めることが不可欠という。
 自然エネルギーはコスト高と思われているが、地球環境に対する負荷を考えると、石油や石炭などの化石燃料の方がコスト高であり、また、過去6年間にドイツ国内で13万人の新規雇用を生み出すなど、自然エネルギーは失業率低下、雇用増大にも役立つ。

 さらに、イラク戦争に見られるように、地球上の多くの戦争の原因はエネルギーの争奪である。エネルギー源を中東に偏在する石油から自然エネルギーに転換していけば、戦争の危険性も少なくなるのだ。

 いま、求められているのは地球規模のエネルギー革命であり、少数の人が大きく儲けている現在の経済構造から、多くの人が小さく儲ける経済構造に転換する必要があると、フェル議員は力説した。


▲北海道ニセコ町の逢坂誠二町長と
 フェル議員は、草の根の市民運動から這い上がってきた政治家であり、一つ一つの言葉に重みがあり、説得力があった。会議が終わった後、北海道ニセコ町の逢坂誠二町長と「政治家はかくあるべし」と語り合った。

 

1月23日(金)

 日独自然エネルギー会議の2日目。
 日独における自然エネルギー導入の様々な取り組みが紹介された。多くの事例発表を聞いているうちに、いくつか大事なことが分かってきた。

 まず、自然エネルギーの普及には、供給、技術、需要の3つが必要であることだ。
 自然エネルギーには、水力、風力、太陽光発電、太陽光熱、バイオマス、地熱などがある。 こうした自然エネルギーを活用するには技術開発と技術の普及が必要だ。
 例えば、新築するマイホームを太陽光発電にしたいと思っても、妥当な値段の太陽光発電パネルがなかったり、建築業者がどうしていいか分からなければお手上げとなってしまう。
 また、需要というのは、少々お金がかかっても環境保護のために太陽光発電パネルを取り付けたいという消費者が必要だ。

 ドイツでは、自然エネルギーによって作られた電力は「グリーン電力」と呼ばれ、通常の電力よりも割高なグリーン電力をあえて購入する消費者がいることが自然エネルギー普及の大きな力となっている。

 また、「グリーン電力証書」という仕組みもある。
 これは、実際にはグリーン電力を使えない地域でも、グリーン電力証書を買う、つまり、割高の電力料金を払うことで、グリーン電力を買ったことになる仕組みである。

 日本でも企業向けにグリーン電力証書の販売がすでに始められており、正田剛さんが経営する日本自然エネルギー株式会社の主な業務は企業向けのグリーン電力証書の販売である。グリーン電力証書の売り上げ代金は風力発電の建設資金などに使われるため、実質的にグリーン電力を買ったことになるのである。

 正田さんによれば、現在は営業効率を上げるために環境保護に熱心な企業(より正確には、環境保護の姿勢が自社のイメージアップにつながると考えている企業)向けに販売しているが、将来は一般消費者に向けても販売したいとのことだった。このほか、自然エネルギーを導入するための実務的なノウハウが色々分かって有益だった。


▲飯田哲也さんと

▲クリスチャン・オバランダ氏と

▲夕陽に輝く風力発電所

 午後2時に会議が終了。日独の主催者と一緒に鉄道に乗ってベルリンに帰ってきた。窓の外を通り過ぎる田園地帯には電信柱も看板もない。夕陽に照らされてゆっくり回る風力発電の風車が美しかった。

 夜、ベルリンの街に出かけて、皆で打ち上げの夕食をした。ベルリンの建物は大柄なドイツ人の体格を反映しているせいか、いずれも巨大である。ライトアップされた荘厳なベルリンの街を歩いていると、第二次大戦前に逆戻りした街にいるような錯覚に襲われた。


▲ ベルリンで打ち上げ

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